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食料と競合しないバイオエタノール生産技術

 近年、再生可能エネルギーの利用が進められ、石油の代替としてバイオエタノールが注目されています。
 現在利用されているバイオエタノールはトウモロコシやサトウキビなどの穀物が主原料となっており、 食料や飼料との競合が問題となっています。

 私たちが大量の燃料を消費しながら豊かなくらしをしている一方で、多くの人々が、十分な食料が得られず、 飢餓で苦しんでいるのが現状です。

 食料と競合しない原料として、木質や竹、草本、籾殻などのリグノセルロース系バイオマスが期待されていますが、 これらの材料からバイオエタノールを生産するためには多大なコストを要し、 回収エネルギーが投入エネルギーを下回っているのが現状です。

 私たちは微生物を利用し、リグノセルロース系バイオマスから簡易かつ低コストでアルコール類を回収する技術を開発し、実用化を図っています。

 バイオマスの有効利用には合理性が問われます。
 私たちは合理的な技術を開発、提案することで、実質的な問題解決を進めていきます。

従来法のバイオエタノール原料である非穀物原料の問題について

 食料との競合を避けなければならない中、取り扱いや管理が容易で、 更に変換効率を考えればどうしてもソフトセルロースからバイオエタノール製造に向かってしまう傾向にありますが、4 それには注意が必要です。

バイオエタノール原料には

  • 糖質原料〔サトウキビ、テンサイ、モラセス、みかん、バガス(サトウキビの粉砕時に出る絞り粕)、ミルクホエー〕
  • デンプン質原料(トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、麦)
  • セルロース〔トウモロコシの茎や葉、おがくず、麦わら、スイッチグラス(牧草の一種)〕

 などの農業廃棄物が挙げられます。

 確かに、これらの原料は廃棄物として取り扱われておりますが、どうしても避けられないのは、 飼料穀物高騰に影響を受けるからです。
 穀物相場の上昇に伴い原材料の価格が高騰すれば、減収になり、事業の安定化は困難になり、立ち上げ計画は頓挫します。

 燃料として投入する作物が、投入した資源以上の価値を生むのであれば積極的に作物の燃料化を推進すれば良く、 補助金ありきの事業計画が目立つわけで、永遠に補助金を投入しなければ継続できない事業が多いのも事実です。

 だからと言って、TPP(環太平洋経済連携協定)でバイオエタノール原料が安価で手に入る構想でもあるのでしょうか。
 確かに、効率良く栽培できるように遺伝子を組み換えた作物を、集中的に栽培するのが良いのも知れませんね。

当社の技術と従来の糖化発酵工程との違いを簡略説明します。

 (1)原料の粉砕

   (資材は多種)

 (2)酵素による液化、糖化

   (不要)

 (3)酵母による発酵

   (当社発明による発酵技術を投入のみ)

 (4)低濃度エタノール → 蒸留

   (不要)

 (5)脱水→高濃度エタノール

   (ガス状で生成)

 1~5の工程における明細や炭素源については、私たちの技術を参照してください。

 各必須工程が不要になった結果、投入する試薬等も不要でコストの大幅削減と環境負荷から食糧との競合が軽減されます。

日本における放置竹林の問題

 放置竹林とは里山にみられる竹林で、里山での活用や経済成長期を過ぎて放置され始め、 生物多様性や景観問題や野生動物被害の温床や田畑、道路、電線、大きな問題として森林侵食被害などの指摘が報告されています。

 また、竹の根は非常に浅く、山本来の保水力を奪い、降水量が多くなれば根ごと流され大きな災害にもつながりかねません。

 かつて日本では、竹は人の生活には欠かせない重要な資源でありましたが、今では石油系製品等の普及によって、 かつてほど使用されなくなっています。

 その一方で、国内には多くの竹林が残っており、それら竹林は高齢化などの理由から維持管理が困難となり、 竹林の拡大による被害が全国各地で発生しています。

 特に過疎高齢化の度合いが高い中山間地においては、維持管理のための担い手不足は深刻であり、 地域社会の維持のためにも、有効な対策が求められています。

革新技術 竹の利活用

 一般的に竹は担子菌との相性は良くないとされ、植物バイオマス資材の中でもアルコール発酵利用が極めて 難しいと考えられる竹粉炭素源としても固相でのバイオマスガス生成にも成功している。

 要するに繊維が長い資材でもガス化できるのです、この技術により多くの資材や資源が日本国内に眠っていると実感しています。

環境に優しいバイオマスを念頭に

 炭素源から直接バイオガスを発生でき、バイオガスを発生させる資材として、広葉樹・針葉樹、 裸子植物等の樹木に由来する木材〔建築廃材、竹、ススキ、植物、稲藁、麦藁、トウモロコシ、サトウキビ(バガス)、 パーム椰子殻(PKS)等を含む〕それらの樹皮、葉等の利用が広く可能になりました。

 何よりも放置竹林の里山問題や未利用木材の処分法としての知見からは有意義な利活用であり、安全且つ高効率にアルコールを採取し、 地方自治体レベルで利活用ができるエネルギーを作ることが化石燃料の使用量を低減しCO2削減による地球温暖化の緩和にも直結するプロジェクトに貢献できます。

環境に優しいバイオ・バイオエタノール・酢酸エチル製造方法

 炭素源を粉砕するだけで、固相から直接気相で回収する事により、大幅なコスト削減が可能になります。
 製造できるバイオガス種(可燃性ガス) エタノールガスや酢酸エチルが主に回収できます。

 エタノールは化石燃料の代替エネルギーとして既に注目されています。
 また、酢酸エチルガスは工業用の各種原料として需要が拡大していますが、近年、中国等からの輸入が増加しており、 自給率が低下傾向にありますが、中国では穀物系バイオマスを原料とするのが一般的で、食糧との競合が危惧されています。

 当社の固相回収技術の可能性により、食品や農産物の収穫や加工処理時に生じる残渣の利用も可能です。
 環境負荷の少ない経済的で安定した再生可能エネルギーの利用循環システムの構築を目標としています。

 発生するバイオガスは混気状態となり、冷却トラップ等の凝縮装置の設定で、目的とする成分を容易に抽出・濃縮することができます。
 その結果、試薬等が不要になり、コスト削減と環境負荷や食料との競合が軽減されます。

バイオ燃料の国内動向

バイオ燃料の開発において配慮すべき点として

  • CO2排出削減効果
  • エネルギー生産(化石燃料エネルギー収支)
  • 経済的機能(経済性)
  • 安定供給
  • 資源の有効利用
  • 自然環境との共生
  • 食料との競合
  • 既存産業構造との競合
  • 地域社会での受容性
  • 文化の尊重

上記を挙げていますが、当社の技術で全てをクリアーできていると思います。

バイオ燃料の国際動向

 森林など土地の利用転換にともない、膨大で多量の温暖化ガスが排出され、バイオ燃料生産による温暖化対策効果に 大きな疑問が浮き彫りになりました。
(下げるつもりが、上がりました。)

 又、中国やインド等の食の高級化や投機資金流入に加えて、米国のエタノール推進政策がトウモロコシ価格の上昇となり、アフリカ等の食糧危機の一因となったと指摘され、食糧サミットが開催されました。

 当社は現時点で基準づくりやバイオ燃料の評価の為に、研究資源を投入すべきであると考え、 バイオ燃料の一括した促進の為には補助金の再検討が必要となると考えています。

再生可能エネルギーについて・バイオマス発電・バイオガス発電

再生可能エネルギーによるカーボンニュートラルの考え

 再生可能エネルギーによるカーボンニュートラルの考えは、光合成によりCO2 を吸収して成長するバイオマス資源を 燃料として使用し、燃焼させて行った発電は CO2を排出しないものとされています。
 ただし、カーボンニュートラルには下記のような問題があります。

 植物から燃料等の製造時に発生する、輸送過程で化石燃料を少量でも使用すればCO2排出量が上回る等。
 化石燃料の燃焼によって排出したCO2の大半は長期間大気中に残ります。
 アメリカやブラジルで現在生産されているバイオエタノールは、製造段階で大量の化石燃料が使用され、 逆に環境負荷を増やす結果となっています。

 再生可能エネルギーは文字通り再生力・再生性が必要です。
 この再生力・再生性とは、植物を燃焼・分解して出たCO2を確実に地中に埋め戻す能力・性質の事で、植物の原材料を生産する森林を適切に管理し、植物の栽培を維持する事が必要です。

 現在過剰に排出されているCO2量と同じ量のCO2が吸収できるように植樹するなどして、国家あるいは地球全体でCO2の排出量を吸収量で相殺する事が、真の意味でのカーボンニュートラルですが、このような事から達成は容易でないのが現状です。

再生可能エネルギー利用で循環型社会を目指して

地球温暖化対策・循環型社会の構築・里山の活性化・地域環境の改善について

 再生可能エネルギーは、光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源であり、放置竹林や林地残材等を含めて考える必要があります。
 また再生可能エネルギーは、未利用資源である廃棄物や放置竹林を燃料とするバイオマス発電でなければなりません。
 これらは廃棄物の減少にもなり、循環型社会の構築になります。

 稲ワラ・放置竹林・林地残材等の利用で、国内の里山に存在するバイオマス資源を最大限有効利活用する事により、里山の自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図る事が可能でなければなりません。
 里山にみられる放置竹林等の未利用資源を有効利活用する事で、地域環境の改善に貢献できます。

課題や問題について

  • 既存の木質バイオマスは資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかり、小規模発電には不利という課題があります。
  • 製造時の輸送過程でCO2排出量が上回る等の問題があります。

課題や問題の解決について

 現在の再生可能エネルギー木質バイオマス発電は5,000kWを一つの目安となっておりますが、この規模では、年間10万tクラス原料調達が必要となります。
 針葉樹のみでは、実現可能性について疑問が残ります。
 再生可能エネルギーとしては、広葉樹林や放置竹林の有効利活用も視野に入れる必要がございます。

 弊社の技術は、放置竹林の解決策としても優位性は高く、弊社の技術を用いて粉砕した竹粉は反応性が高く、すぐに可燃性ガスを産生することが、公的研究機関による研究で明らかになっております。

 また弊社は2,000kWあるいは数百kWレベルの小規模で地産地消できる木質バイオマス利用(竹材に限らず、その他の木質系バイオマスにも応用可能であると考えております)を目指しております。

詳しくは、技術情報を参照、もしくは特許検索フォームに『株式会社ヨネクニ』で検索、明細をご覧いただけます。

バイオマスの熱利用について

バイオマスの熱利用(未利用資源である放置竹林等も使用可)

 再生可能エネルギーである未利用資源の有効利活用。
 バイオマス資源の熱利用とは、バイオマス資源を直接燃焼させ燃焼時に得られる廃熱からボイラで蒸気を作ります。
 上記で得られる熱で、バイオマス資源を発酵させて発生したメタンガスを都市ガスの代わりに燃焼して利用する等です。

バイオマスの熱利用の主な特長

 再生可能エネルギーであるバイオマスの熱利用は、バイオマス発電やバイオマス燃料製造(バイオガス・バイオエタノール)と同様に、循環型社会を形成していく上で、大きなメリットが考えられます。
 再生可能エネルギーは文字通り再生力・再生性が必要です。

 この再生力・再生性とは、植物を燃焼・分解して出たCO2を確実に地中に埋め戻す能力・性質の事で、植物の原材料を生産する森林を適切に管理し、植物の栽培を維持する事が必要です。
 現在過剰に排出されているCO2量と同じ量のCO2が吸収できるように植樹するなどして、国家あるいは地球全体でCO2の排出量を吸収量で相殺する事が、真の意味でのカーボンニュートラルですが、このような事から達成は容易でないのが現状です。

資源の有効活用について

 間伐材・林地残材・放置竹林・廃材等の廃棄処分されていたものが、ペレット等の燃料として再利用できるため、消費者もそれを利用することで、未利用資源の有効利活用に参加できます。

焼却時の排熱利用について

 バイオマス資源を燃料とする発電では、燃焼の際に発生する排熱をエネルギーとして利用できます。

生物系廃棄物の削減に寄与について

 バイオマス資源を有効利活用することで、発生する生物系廃棄物の量を削減できます。

課題や問題について

  • 既存の木質バイオマスは資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかり、小規模発電には不利という課題があります。
  • 製造時の輸送過程でCO2排出量が上回る等の問題があります。

課題や問題の解決について

詳しくは、技術情報を参照、もしくは特許検索フォームに『株式会社ヨネクニ』で検索、明細をご覧いただけます。

バイオマスからバイオガスの燃料製造について

 バイオマスとは、動植物等から生まれた生物資源で、これらの資源から製造する燃料をバイオマス燃料と言います。

バイオマスからバイオガスの燃料製造(放置竹林等も製造可)

未利用資源のバイオマスを燃料に変える主な特長

 製造できる燃料には、ペレット等の固体燃料、バイオエタノールやバイオディーゼル燃料(BDF)等の液体燃料があり、そして気体燃料としてバイオエタノール等があります。

課題や問題について

  • 酸加水分解では、脱リグニンにコストやエネルギーを要する。
  • セルロースの分解速度の制御が難しい。
  • 生成したグルコースが過剰に分解されて収率が低下する。
  • 酵素糖化法では、反応液中にアルコール発酵を阻害する物質が生成する。
  • 強酸等の処理は環境負荷が高く、処理コストも高くなる。
  • オゾン処理、水熱処理、爆砕処理、超臨界水処理等にコストとエネルギーを要する。

課題や問題の解決について

詳しくは、技術情報を参照、もしくは特許検索フォームに『株式会社ヨネクニ』で検索、明細をご覧いただけます。